無駄毛処理の歴史

一番古い記録によると紀元前3,000年〜4,000年頃の地中海地方や古代オリエントにおいては、すでに無駄毛処理が行われていたようです。宗教や歴史の文献の無駄毛の除去についての習慣や法律の記述によると、脱毛剤である“Rhusma turcorum”は硫黄と石灰と澱粉で作られた脱毛ワックスのようなもので、古代オリエントのハーレムの女性達に美容用途で一般的に使われていました。

地中海沿岸の地方では脱毛用途でひもが広く用いられていました。指でひもを操ってひもに毛を挟み込んで抜くというものです。この技術は現在までこの地方に伝わり広く使われています。

紀元前1,500年頃の書物によると、エジプトで無駄毛処理が行われていたという記述があります。使用されていたのは脱毛ワックスのような物で「油と焼いたハスの葉を一緒に亀のコウラの中に入れて、そこにカバの脂肪を加えた物」だったそうです。

紀元前30年〜40年頃に生きていたエジプトの女王であるクレオパトラも、脱毛ワックスのようなもので無駄毛を処理していたことが記述されています。また、古代エジプトの出土品の中には青銅で作られたカミソリもありました。現代の床屋さんで使われるような長い立派な刃のカミソリも発見されています。

19世紀に入ると永久脱毛を目的として様々な脱毛方法が考案されました。例えば、肌に直接硫酸などの強い薬品を塗ったり毛を抜いたあとの毛穴に汚れた針をさし込んだりという過激なものでした。毛穴にわざと炎症を起こさせて、それによって毛穴を塞ごうと考えたのです。当然永久脱毛の効果は無いですし肌を痛めて醜い痕を残す事になったそうです。

1907年〜1957年まで50年にわたってアメリカでは、X線を使用した脱毛処理が行われていました。永久脱毛は可能だったのですが、シミやシワや傷などの放射線による副作用がみられ、脱毛処理後の皮膚にケロイドや癌の被害が多発しました。

日本でも平安時代に貴族の女性達が額の形を整えるために毛を抜いて、眉墨ならぬ“額墨”で足りないところを墨で書きたしていたそうです。 また江戸時代の遊女は、ひらたくて小さい軽石を2個使って陰毛を間に挟んでこすり切ったり、陰毛の先端を線香で焼いたりしていました。毛の先端が滑らかでチクチクしなくなるのが良かったようです。
腕や脚などの無駄毛の処理には、無駄毛処理用途のクリームが使われていた事が古い書物に記されています。そのクリームとは、木の実から取った油と軽石を砕いて粉状にしたものを混ぜて練ったもので、それを手のひらに取って皮膚を擦ることで、毛を磨耗させて切るというものです。事後処理には、うぐいすの糞を塗ってへちま水をつけるようにと教えられていました。


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